文字サイズ 概要 お問い合わせ

3月:一期生卒塾発表会

03月3月:一期生卒塾発表会

2013年03月08日

以下、5人の発表の概要を紹介させていただきます。

【吉井利光:脱・財政規律、そして21世紀型国家財政マネジメントへ】

 吉井塾生は、今の日本に必要なのは、日本経済の基礎力を正しく評価し、経済成長による税収増を図ることだと訴えました。
 今の日本では、「財政規律を守らなければ財政が破綻するため、増税が必要だ」という考え方も根強いですが、実際には、負債と資産の両方を見た時に、日本の政府保有の金融資産は世界で最も大きく、日本は世界で一番お金を外国に貸している国でもあるからです。
こうした事実を正しく評価するならば、「経済成長→税収増→財政再建」というサイクルを生み出すために、交通革命や防衛産業等、将来の富を生む分野に資金を投じることが大事です。
(参考:19世紀初頭の英国では、国債残高がGNP比288%まで上がったが、その後、技術革新・人口の増加による経済成長率が高まり、債務の圧縮が実現した)

 そして、経済成長戦略を具体化する鍵は、予算編成の仕組みを見直し、「国家のマネジメント」を行なえる体制をつくることにあります。

 吉井塾生は、日米の予算編成プロセスを以下の三点から比較しました。
1)権限の集中度合い(日本は集中、米国は分散)
2)議会の役割(日本は形式的、米国は実質的)
3)プロセスの透明度(情報公開度が米国のほうが高い)

そして、今後の改革のためには、
1)国会の審議能力の向上、
2)予算編成プロセスの透明性を上げる、
3)両院制の弊害を解消(一院制へ)
という三つの方向性を重視しつつ、大統領制へと移行し、国家元首を中心としたマネジメント体制を構築しなければならないと提言し、発表を終えました。

【伊藤希望:生涯現役社会の実現】

 伊藤塾生は、まず、社会保障費が膨張してきた歴史を示しつつ、近年に決まった、「年金の報酬比例部分の支給開始年齢引き上げ」の概要を紹介しました。
・支給開始年齢は、2013年4月より、60歳から61歳に。
・最終的には2025年に支給開始年齢は65歳に引き上げられる。
・企業は、1)定年制廃止、2)定年引上げ、3)再雇用制度の導入のいずれかを導入しなければならない
・8割以上の企業は「再雇用制度の導入」を検討している

 今の日本では少子高齢化の深刻化が予想されていますが、そうした社会においては、高齢者の活用が繁栄の鍵となります。日本には元気な高齢者も多く、知識社会においては、高齢者の知識・経験が、大きな価値を生む源泉ともなりうるからです。
 そのため、伊藤塾生は、雇用規制の緩和や社会保険の負担見直し等を行い、高齢者の知識・経験を生かすことのできる労働市場をつくることを提言しつつ、最終的には、75歳まで生涯現役で働ける社会を目指すべきだと訴えました。

 そして、そうした「生涯現役」の実例となる企業を紹介しました。
・アルタホープグループ →長時間勤務を希望する若者と短時間勤務を希望する高齢者で上手にシフトを組んでいる
・ライフネット生命 →若者の発想・営業力と高齢者の知識・経験を生かして起業
・株式会社いろどり →おばあちゃんが年収1000万円を稼ぐ

 高齢者と若者が職を奪い合うことなく、共にパイを生み続ける社会をつくらなければならないからです。

【彦川太志:検証・日本の核武装能力】

 彦川塾生は、まず、日本に核武装が必要な理由として、アジアにおける核戦力のバランスが中国優位に傾いている事実を指摘しました。
 長距離核ミサイルや長距離爆撃機で運搬する核兵器の数は、中国よりも米国のほうが多いのですが、米国は、冷戦時代に旧ソ連と中距離核戦力全廃条約を結んでいるため、アジア圏に限定した核兵器の数で見ると、中国はすでに米国を脅かす力を持っているからです。

【中国の戦術核】
・台湾・韓国・南西諸島の一部を狙う射程1000㎞以下のミサイル1000発
・日本・フィリピン等アジア諸国を狙う射程1000㎞~3000㎞のミサイル100発
・グアム・インド・ロシアを狙う射程3000㎞~5500㎞のミサイル20発

 米国は、こうした短距離・中距離の核ミサイルを現在は保有していないため、日本がこの部分を補わなければ、アジアにおいて、中国を抑止することはできません。
 そのため、彦川塾生は、日本が核武装を実現していくための道筋として、以下の三点のステップを示しました。
1:米軍の核部隊の配備 → 非核三原則の緩和(「持ち込ませず」をなくす)
2:核シェアリング → NATO諸国や英国のように日米が核兵器の使用を共同化していく
3:自主開発 →「自分の国は自分で守る」核武装を実施

 彦川塾生は、現在の憲法解釈上、核武装は否定されていないことや、日本の保守政治家と技術者たちが核武装を可能とする体制を構築してきたことを紹介しつつ、「核武装」を決断する政治家の勇気の必要性を訴えました。
(参考:日本には「核物質」「爆縮技術」「ロケット技術」の三点が備わっている)

【湊侑子:日台関係強化のために】

 湊塾生は、まず、台湾と中国の歴史を考察しつつ、中国共産党が主張する「一つの中国」の欺瞞性と、危機に立つ台湾を支援する必要性を指摘しました。
 台湾が中国に併合されれば、日本のシーレーンが脅かされるからです。
 第二次世界大戦前には、イギリスはナチスドイツに対して宥和政策を行ない、ラインラントやズテーテン地方の併合を譲歩しましたが、中国による台湾併合を、日本がもし譲歩するならば、未来には中国による日本侵略が待っています。
 湊塾生は、こうした不幸な未来を避けるためにも、自主防衛体制を構築しつつ、日台関係を強化することが重要だと訴えました。

 そして、その具体策として、
・集団的自衛権の行使の容認
・日台漁業協定の締結
・日台間の自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)の締結
・TPP参加の後押し
・日本語教育の更なる振興
 等を通して、日台関係を強化すべきであると主張しました。

 その上で、「一つの中国」という欺瞞を打ち破り、日本が、台湾を一つの国として支援していくためには、日本も核兵器を持ち、中国の核威嚇に対抗できる力を持つことが最も重要です。
 湊塾生は、最後に、日本版「台湾関係法」※をつくることで、日・台・米が協調してアジアの平和を維持することを目指すべきだと訴え、発表を終えました。

【日本版『台湾関係法』の柱 <試案>】
①日本は、平和と自由と民主主義を愛する国であり、アジアの平和に貢献する義務を持つ。
②台湾の平和と安定は、日本の政治、安全保障、経済的な利益に合致する。
③台湾問題は、中国の国内問題ではなく、アジアの命運を分ける国際問題である。
④日本は台湾に武器を輸出、また共同開発を行う。

※台湾を守るための基本政策を定めた米国の国内法。1979年に米議会が制定。

【城取塾生:「よく知ろう、イスラーム 今すぐ必要な中東外交」~日本が果たすべき役割とは?~】

 城取塾生は、イスラム教の特徴や中東諸国の現状をわかりやすく解説し、日本にとっての中東外交の必要性とあるべき政策提言を行ないました。

 まず、日本が中東外交に積極的に取り組まなくてはならない理由としては、従来の「石油資源の確保」のほかに、次の三つの要素が考えられます。
1)安全保障上、同盟国・米国との連携が必要(シーレーン防衛など)
2)人口が増えるイスラム圏には潜在的な巨大マーケットがある
(1970年:1億9500万人→2005年:約4億6975万人。)
3)中国とイスラム圏がつながるのを抑止する

 そして、日本が中東外交を行うためには、外交の体制をつくり直す必要があります。
アルジェリアのテロ事件では、今の日本に自国民を守る力が本当にあるのかどうかが問われましたが、こうした脆弱な体制を変えるために、城取塾生は、2015年頃までに必要な政策を以下のように提言しました。

【「安全保障」「経済」「国際的地位の向上」など3つの国益に資するために、以下の4つの方針を打ち出し、世界戦略を見据えた中東外交の基盤を構築する】
①エネルギー安全保障政策の見直し(中東の化石燃料への依存度を下げる)
②日本人を守り、国際社会に貢献できるようにするための憲法9条の改正
③中東・北アフリカ向けの経済援助(ODA)の拡大
④外交戦略の背骨としての情報収集機能の強化(外務省改革)

 その上で、日本は中東の繁栄に協力し、国家レベルでの利自即利他を実現するために、以下のような中長期的な戦略を持たなければなりません。
・産油国が資源依存型経済から脱却するために、多様な産業を創出するモチベーションとなる「資本主義の精神」を広める
・エジプト等のアラブの民主化運動が国民の自由を拡大する方向に向かうよう支援する
・宗教的寛容の精神を生かし、宗教対立の解消に貢献していく

 城取塾生は、国家戦略を持ち、日本の国益と地球的正義の実現を両立させる外交戦略の必要性を訴え、発表を終えました。

  • 大川隆法名誉塾長からのメッセージ
  • 塾生募集
  • 在塾生の言葉